ここから先は、筆者がミンファの状況の改善について積極的に参加している理由である。
大いに主観や想像を含むものである。
今回の件は、ミンファの状態の改善ももちろんであるが、園の獣医療、動物福祉、管理体制の不備が原因であり、他の個体の状態や、それらの個体の将来的な管理に不安が残るものであるため、それらの改善も求めていくものである。
現在の西山動物園のレッサーパンダに対する食事に関し、他園と比較しても、野菜や果物の量が多く、不足がちになる栄養素をおぎなうペレットをレッサーパンダが食べているところを確認できていないことから、食事についての改善も必要だと考える。近年の野菜や果物は品種改良により糖質が多く、摂取のし過ぎにより、虫歯や体調不良を招く可能性が指摘されている。元来レッサーパンダは笹を主食とし、果物や野菜は多く必要としない(近年では、トレーニングや薬の利用、イベントでのみの使用が主流)。
現在のところ、
・他園にレッサーパンダの診察の経験がある獣医によって診察を行ってもらう
・飼育員によるトレーニングを開始し、将来的に無麻酔採血など、安全に個体を診察する環境を目指す
・糖質の多い果物や野菜ではなく、笹中心で、ペレットを採用した食事に改善する
ことが現段階で筆者が望んでいることである。
これらに関しては、すべてを一気に実現するのは難しい。少しずつ検討の後に採用される事を望んでいるものである。
(ミンファに関してはこれ以上悪化する前に早期の治療が必要と考える)
また、西山動物園には予備の飼育場があることは事実であり、将来的に日本のレッサーパンダが増えていくことを考えると、西山動物園の役割は大きくなると考えている。故に、現在から、西山動物園の獣医療やトレーニングが充実し、この先安心して新しい個体を受け入れる状態を作ることが重要と考えている。(国内だけの血統管理では難しくなってくることから、海外からの血統を呼び込むことに関しても国内の獣医療を含む動物福祉の充実は重要になってくると思われる。)
ミンファという個体が影響の大きい個体であるため、関心を持つ人も多い。これを機会に動物園を取り巻く環境が改善されることを望むものである。(この機会を逃せば環境の改善をすることはしばらく難しいとも考えている。)
・動物の異変について報告しやすい環境
今回の状況をつくった原因の一つとして、訪問客が報告をしていたにも関わらず、それが見過ごされてきたこと、また提言することに対しての抵抗も事態を悪化させた原因と考えている。その要望がもちろん程度を超えたものであってはいけないし、十分な根拠や証拠があり、議論され、園が無理なく実現できる範囲のものでなければならないが、それは検証される余地のあるものであるべきだと考える(動物の異常の早期発見のためにも)
・園が外部にヘルプを言いやすい環境
本来ならば、十分な技術を持つアドベンチャーワールドのような園、ミンファに関しては診察履歴のある王子動物園のような園が協力し、ミンファの状態の改善に望めるような、また、より優秀で専門的な獣医を呼ぶために一般から費用を集めるなど、園の現状をオープンにし、問題のある個体に臨める環境を将来に向けて作ることも大切だと考える。園に対して過剰な可能性を誤認させることは、かえって危険なことだと思う(動物園に預けておけば大丈夫という認識から、飼育に持て余した動物や、勝手に拾った動物が園に捨てられる、預けられる、異常をみせていた動物が、飼育員は気づいているだろうという認識から見逃され、より状態が悪化するというのもこのような認識からだと思う)
・目指すものに対しての障害について
これだけ目立つような状況になっても、他園からの働きかけやJAZAなどの動物に関係する団体がが動きをみせていないことに関して、西山動物園は多くのレッサーパンダを抱える園であり、ブリーディングローンなどに大きな影響を持つために、積極的に働きかけにくい、ということが考えられる。また、他園の飼育員や獣医師が協力を申し出ることに関しても、何かあった時のリスクが大きく、他園に関し、表立って行動することは難しくなっているのではないかと考える(あくまで想像であるがミンファという多くの園に子孫を残し、ファンの間でも名のある個体なので、関係者が知らないはずがないと思っている、なのに動きらしい動きがないのはなぜか?)。
・これを解決するために
関係者が動くのが難しい、ということが考えられる以上、働きかけを行えるのは外部の人間だと考える(そもそも組織の立場により動物の保護が阻害されるような状況についても問題があると考えている、ただしこれは想像の上での考えである)。その声が大きくなれば、園の判断というよりも、要望の声が大きかったことが理由となるため、内部の動きだけよりは変化をもたらす可能性があると考えている。ただし、もちろんこれに関しても、園の限界や窮状が十分検証されてからである必要はあると思う。
・王子に戻すという選択肢
ミンファの問題を解決するだけならば、王子に戻れば、常駐獣医がいることや、これまでミンファの診察の履歴もあるだろうと予測できるので、状態の改善は期待できる。ただし、ミンファにはまたも負担のかかる移動や環境の変化を強いることのリスクは避けられない。その問題はおいても、一つの解決案であり、それを現実のものとするためには、さしあたり、有志によって署名を集めるという手もあるのでは、と考えている(あくまでも素人目の案)。
それも一つの選択肢として、西山動物園の獣医療や管理体制の問題が明らかになった以上、その改善はどちらにしても必要だと考える。
・筆者が求めるもの
これらのことは一一般市民が求めるものとしては非常に難しいものである。ただ、現在動物を扱う園に関して、様々な問題があることは間違いなく、そして内部からの自発的な変化は、現状では難しいと思っている。これらの問題を認識する人が増え、一つの園だけができることには限界があることを認識し、園の垣根を超えた協力体制を望む声が高まることが問題の解決につながると考えている。
・具体的には
現状を正しく理解しようとする(情報を集める)こと、証拠や根拠として上がっていることの事実の裏付け(特定の情報提供者からのみの情報よりも複数が証言していることの方が信頼性はある、また動画や写真があればより事実として認定できる)、実現できる範囲の小さなことでも考えてみること、改善を求める人に同意したり、意見を追加したりすること、正しく問題点について他の人達と共有することなどがあげられると思う。また、行動が行き過ぎていないか自分の行動について相談したり、検証してみたり、自分の考えを文にまとめることも重要だと思われる(感情により行き過ぎた行動が反発に繋がり、不要な対立を招いたり、誤った認識により、事実から遠ざかることは、問題の解決からも遠ざかることになると思う)
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