状態が悪いまま、適切な医療や処置がなされていない動物はミンファだけではない。
問題は、現在のところ、状態の悪い個体を偶然発見したとしても、それを園に伝えても、その個体をどう処遇するかはその園次第である。担当飼育員や獣医が何らかの事情で適切な処遇ができなかった場合、その状態は放置されることになる。
そして、状態の悪い動物が報告されてから、各個人がそれぞれ動くことになるため、人の目につきにくい動物、訪問者数の少ない動物への支援は少なくなりがちである。
状態の悪い個体を発見し、改善を求め、その賛同者を募るに際して、「飼育員や動物園への敵対行為」と捉えられ、それをよく思わない人が出てきたり、匿名での脅迫行為を受けたりする人もいるようで、そのことからファン同士の信頼関係が壊れることを恐れ、こうした動きは個人ではやりにくくなっている。
そして、一訪問者は、どれだけ個人的に研究していたとしても、それを裏付けるような肩書を持っていないため、説得するのは難しい。
担当飼育員とは言え、様々な個体を担当する飼育員は、動物が飼育場に出ている場合はその間の状況を把握できていないこともあるが、毎日世話をしている自負もあり簡単に外部の意見は聞き入れられないこともある。
個人でこのような行動を行うことには様々な障害がつきまとうため、外部の監督機関が必要だと考えている。
目的の一つは、現在適切な処遇が行われていないと思われる動物がどれくらいいるのかの把握である。どういったことが不適切であるかを、動画や写真などを撮影し、第三者からの目を通しても不適切であると思わせるような説得力が必要である。
また、現在不適切である状況を改善するために何を要望するかが記される必要がある。その実現のために必要な費用がどのくらい必要かも算定する。ただし、一連の事項はただ一人が報告する必要はなく、状況の報告を見た人が、何が必要かを補足することもできる。
これに関し、データの改竄の恐れがあるため、報告に関しては認証が必要であると思われる。
しかし、ここでもある程度の肩書や権力を持った人間が参加した機関でなければ、その声も届けにくいだろうと思う。
外部の監督機関は、一訪問者の観察した意見を聞き、それを受けて実際に調査にあたる。
担当飼育員や獣医への聞き込み、また報告を受けた動物の観察を行う。この時点で報告者から、実際に状態の悪い動物の映像や写真があれば、その観察は短くて済む。実際に調査が終了したら、その動物に対してどの様な処置が必要なのかを検討する。その動物園の担当者や獣医と見解が違った場合は、検討の上、両者の見解を公開した上で、基本的には担当動物園の方針を尊重する。どちらの見解が採用されても、その動物の様子は定期的に内部調査をおこない、公開する。
調査の結果、動物園が行う必要のある処置に関して費用が必要である場合、見積もりを行い、必要があればクラウドファウンディングを設立し寄付を募る。
これらの調査に関してであるが、ある程度まずは複数の動物園と機関との信頼関係が設立されている必要がある。少なくとも動物園のサポーターとして登録されている必要があると考える。また、実現が簡単そうな改善案を採用してもらい、ある程度の実績は必要であると考える。
すべての意見をとりいれると、対応しきれない可能性があるため、任意の訪問者に基礎的な動物の知識に関する試験を行い、合格した者からの意見を主に採用する。ただし、それ以外の意見を拒否するわけではなく、その意見を試験合格舎者に通達し、その動物の観察を行ってもらい、報告してもらう。ただし、負担が大きくなりすぎないようにする。調査も任意である。また基本的に合格者は、警戒されること恐れがあるため、基本的にそれを外部に漏らさないようにすること。
またこの組織はこの様な業務からの基本的に利益は期待できない。人材の確保、専門知識をもった協力者への謝礼や調査の費用のためにある程度の資金の調達は必要なので、ノベルティの販売や寄付、また広告の募集は行うべきである。ただしこれは活動が軌道にのってから(ある程度の実績をのこしてから)で良いと考える。
また、収支に関しては、あくまでもこの活動が動物愛護が目的で、人件費に関しても同意を得て信頼されるものであることを示すために、賛同者への公開はなされるべきである。
この監査機関は動物たちに問題が起こってからの活動のためだけが目的ではなく、その機関の存在そのものによって、園や飼育員の適度な緊張感をもった飼育につながることも期待できる。そもそも普段の飼育や治療・観察が適切に行われていれば未然に防げる件も多いと考える。
また、この機関は組織の腐敗は絶対に許されない。この機関の人間であることを理由に外部への無理な要求をすることは厳禁である。基本的に、動物園への調査を行う場合は、全て行動が記録され、公開されるべきである。
ここまでの意見に関して、これはすべて現段階での情報を鑑みて個人的意見であり、これがすべて正しいものかどうかは執筆者も自信があるわけではない。また、思いついたままに執筆したので、認識の欠落も多くあると考えている。この記事は今後様々な他方からの意見を取り入れ、より良いものにしていくつもりである。実現できるかはわからないが、できなかったとしても、後に続く人たちにとって何らかの手がかりになる可能性もあるので、大切に育てていきたいと考えている。
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